ウエットフライフィッシングって難しくないですか?
写真のイワナは、私にとって唯一自然の渓流で、ウエットフライで釣れた魚です。
フライフィッシングを始めたころ、ウエットフライフィッシングというのは、ある程度川幅があって平坦な里川で、対岸に向かってフライをキャストし、下流に向かって扇型に満遍なく川を横切らせ下っていくスタイルが主流でした。
小渓流で釣りをしている自分には、一生使用することのない釣法だと思っていました。
それが、渓流でドライフライのようにアップクラスでフライをキャストし、ナチュラルドリフトして釣る方法が紹介され、自分もいつかは試してみたいと思うようになりました。
入門書を読み漁り、入門DVDを何度も見直し、果てはネットでウエットフライフィッシングをされている方の体験談を見たりして知識を収集しました。
そして使用パターンを選定し、ウエット用のマテリアルを揃えタイイングです。
これがやってみるとなかなか難しい、取り付けるマテリアルの数が多いため、太めのスレッドで巻いていくと、ヘッドが異様に大きくなってしまう。
もっと難しいのは、ウイングの取り付けです。
マテリアル自体に壊れやすいものが多く、取り扱いが難しい上に、フックに対して真っすぐ取り付けるのは至難の業です。
何とかそれらしい形に巻けたいくつかのフライを携え、渓流で実釣です。
実際やってみると、入門書や入門DVDのようにうまく行きません。
ドロッパーなんて言うシステムを自分で作って試したりもしました。
狙うポイントはわかっても、沈んだフライが水中でどのような動きをしているのか、全くイメージが湧きません。
目でフライの動きを追うことができるドライフライとは大違いです。
釣れたイワナの話に戻りますが、この時はドロッパーシステムで、リードフライにシルバーマーチブラウンの12番、ドロッパーは確かロイヤルコーチマンの10番だったと思います。
この場所は、白泡が立った上流に向かってキャストし、ナチュラルドリフトを意識して大石のある下流まで流してきました。
流し切ってフライを回収しようとロッドを煽ったところ、ククッとロッドが絞り込まれるようなあたりがありました。
釣り上げてみると、リードフライのシルバーマーチブラウンの12番を写真のイワナが咥えていました。
釣れたというより、知らないうちに釣れていたという感じです。
ウエットフライで魚を釣り上げるという感覚が、どうしてもつかめません。
魚を釣って、こんな複雑な気持ちになったのは初めてでした。
その後、ウエットフライフィッシングは封印することになります。
自宅に残ったウエットフライたちは、フライボックスの中で出番の無いまま眠りにつくことになりました。
活躍の場があるとすれば、管理釣り場で大型のニジマスを狙うときぐらいでしょうか。
そう思いながら、ドライフライの方が釣れるし面白いと自分を慰め、次の釣りへ行ったものです。
それでもまたいつか性懲りもなく、ウエットフライを持ち出すんだろうなあと思います。
いつかウエットフライフィッシングのコツ、つかめる日、来るかな?