第11話 色白イワナ

前々回、全身黒ずくめの黒子のようなイワナのお話をしましたが、今回は白いイワナの話です。

以前ある方が書いた釣りのエッセイで白いイワナを釣った話を読んだことがありました。

そのイワナは本当に体が真っ白で目が真っ赤だったそうですが、私が釣ったイワナは色白といった感じです。このイワナ、前々回ご紹介した黒子イワナとは逆に鰭が異様に小さいです。

このイワナが釣れたのは、黒子イワナの川とは別の川です。

以前、初めて釣った尺イワナのお話をしましたが、その尺イワナが釣れた川です。

この川で釣れるイワナは、多少の個体差はありますが、大体同じようなイワナが釣れます。

川自体がそこで生息しているイワナに大きく影響を与えていることに、改めて驚かされます。

イワナという魚を知らない人に、黒子イワナと色白イワナの写真を見せて、同じ種類の魚だと説明しても、到底信じてもらえないでしょう。

どうして同じ種類の魚でこれだけの違いがあるのか、本当に不思議です。

それに引き換え、アマゴという魚は個体差こそありますが、どの個体にもパーマークと朱点があるため、何とか同じ魚と認めることができます。

このイワナは浅い瀬の瀬尻の部分で、たまたま釣れてしまいました。

落ち込みの肩でもたまに起きることですが、ドライフライを流し切って流れにもまれ沈んだ直後にそのフライを回収しようとしたら、イワナがかかっていたというケースです。

落ち込みの肩に潜んでいるイワナドライフライで釣るのは難しいですが、このイワナは落ち込みの肩に、ウエットフライを沈めて流してみるとか、ニンフフライを沈めて上流からフライ先行で流してみるというやり方で、釣れる可能性があることに気付かせてくれました。

フライに対していろんな出方をしてくれるイワナという魚は、本当に面白いです。

アマゴの場合こういうケースはほとんどなかったと思います。

同じ川に棲んでいる渓流魚なのに、イワナとアマゴの違いも興味深いです。

そんなこと感じたことありませんか?

2015年9月 岐阜県郡上市の渓流にて

 

この川で釣れるイワナは色白で白い斑点が特徴のようです。

浅い瀬をダウンクロスで流したドライフライが流れにもまれ沈んだところでヒット。