mata’sフライフィッシング体験記

このブログは、私がフライフィッシングという釣りを通して遭遇した、様々な出来事を綴った体験記です。

第161話 長尺フライロッド

ゴルフの世界では、長尺ドライバーというのが当たり前の時代ですが、長尺フライロッドというのは聞いたことがありませんよね。

普通3番ロッドといえば、長さは6.9~7.9フィートぐらい、長くても8フィートまでかと思います。

今回ご紹介するのは3番・9フィートの長尺フライロッドです。

このフライロッドを世に出したのは、このブログの第40話でもお話しした、原宿ノリエのオーナーの方です。

ご自身の釣り場での実体験から、こんなロッドがあったらと数々の個性的なロッドを世に送り出されています。

第38話でご紹介した、スリム&フレックスという3番ロッドの9フィート仕様です。

このロッドに目を付けたのは、第92話でもお話しした、今は亡き私の兄でした。

兄は人と同じことをやっても面白くない、誰もやらないことをやってみたいという性格でした。

フライフィッシングに嵌る前は、ゴルフが私たち兄弟の共通の趣味でしたが、兄はアイアンの中に1番・2番を入れていて、ソールが傷だらけになるまで練習し、実際のラウンドでも使いこなしていました。

ゴルフをやる人ならわかっていただけると思いますが、趣味でやっているアマチュアゴルファーが1番・2番アイアンを使うことはまずありません。

そんなこだわりの性格は、趣味がフライフィッシングに変わっても同じでした。

落差が激しく、木が覆いかぶさっている小渓流で、長尺ロッドにロングリーダー&ティペットを駆使し、良型アマゴを釣り上げていました。

私には到底マネのできない芸当です。

兄亡き後、このロッドは物置の奥で13年という長い間眠りについていました。

私自身は一度も使ったことのないロッドでしたが、ふとこのロッドのことを思い出し、いつか使ってみようかと思い立ちました。

長尺フライロッドの使い心地はどうなのか?

その体験談は、またこのブログの中でお話ししたいと思います。

 

亡き兄が愛用していた、原宿ノリエ スリム&フレックス 3番・9フィート

長尺フライロッドにロングリーダー&ティペットを駆使し、兄が釣り上げたアマゴ
写真左下に写っているのが長尺フライロッドです。

 

第160話 ニジマスという魚

ニジマスという魚は、私にとって一番付き合いの長い魚といっていいと思います。

フライフィッシングをはじめる前から知っていました。

はじめてニジマスという魚を見たのは、子供のころ、確か小学生の低学年ぐらいだったと思いますが、滋賀県の醒ヶ井というところにあった養鱒場へ家族で出かけた時、そこにあった釣り堀でした。

子供心に針にかかったニジマスが暴れるのを、おっかなびっくりで釣り上げたのを今でも覚えています。

今思えば釣りというものをやったのは、それが初めての経験でした。

それから約25年後、フライフィッシングをはじめてニジマスと再会しました。

フライフィッシングをはじめてから最初の2年ほどは、管理釣り場での釣りでした。

そこにはヤマメやイワナもいましたが、初心者の私には釣るのが難しく、ニジマスだけが私の遊び相手になってくれました。

渓流デビューし、野生のアマゴやイワナを相手にするようになっても、なかなか相手にしてもらえず、もやもやした日々を過ごしていました。

そんな気持ちを癒してくれたのも、管理釣り場のニジマスたちでした。

ニジマスという魚は、どこの管理釣り場にもいて、フライフィッシングの対象魚の中でも釣ることが容易く、それでいて針がかりすると、走ったり、ジャンプしたりとゲーム性が高く釣って楽しい魚です。

キャンプに行ったときに、みんなで釣って食べたり、いろいろな意味で楽しませてくれます。

イワナを狙いに山岳渓流へ行くようになってからは、管理釣り場に行く回数も減りましたが、シーズンオフになれば、やはり、ニジマスに会いたくなります。

ニジマスには、他の魚にはない魅力があります。

いつでも相手をしてくれ楽しませてくれるニジマスですが、それでも時には、そっほを向かれたり、思わせぶりな態度をされたり、釣れないときには、なぜかまったく相手にしてくれない時があります。

そんなところにも、捨てがたい魅力を感じてしまう。

この先いつか体力の限界を感じ、渓流のアマゴやイワナ狙いの釣りから撤退する時が来るかと思いますが、その後も管理釣り場のニジマス相手の釣りは続いていくことと思います。

ニジマスとの付き合いは、まだまだこの先も末永く続きそうです。

私の釣りは、ニジマスにはじまり、ニジマスで終わる。

そんな気がします。

 

管理釣り場で出会ったニジマスたち、大きいの小さいの、いろんなタイプがいます。







第159話 メル・クリーガー

メル・クリーガーという名前、聞いたことありますか?

世界的に有名な、アメリカのフライキャスティングのインストラクターです。

今は故人となっていますが、私がはじめてその存在を知ったのは、今から30年ほど前、フライフィッシングを初めて体験した、ティムコのフライフィッシングスクールで見た入門ビデオでした。私と同じように、1990年代、第一次アウトドアブームにフライフィッシングを始めた人の中にはご存じの方も多いかと思います。私も当時この人のキャスティング入門ビデオを手に入れ、何度も繰り返し見て、フライキャスティングの基本を学びました。その中で印象に残っている教えは、ロッドは振り回してはいけないということ、それは今でも心に残っています。

そのビデオは、今は手元になく長らくこの人の存在を忘れてしまっていましたが、去年のシーズンオフにシューティングヘッドの釣りをはじめ、自分のキャスティングの在り方を改めて見つめ直そうと思っていたタイミングで、たまたま当時出版されたキャスティングの入門書をネットで見つけ手に入れました。

この入門書の存在は知っていましたが、読んだことはありませんでした。 

これを機会に、改めてメル・クリーガーのキャスティング法を勉強し直してみようと思います。

私には、当時見ていた入門ビデオの最後で、メル・クリーガーが言った忘れられない言葉があります。

それは、こんな言葉です。

 

「この釣りを続けていると、いつか人魚が釣れるかもしれません。」

 

なんて夢のある言葉なのだろうと、当時の私は単純に感動していましたが、今改めて思い返してみると、人魚という言葉の本当の意味は、釣り人それぞれが、釣りたくてもなかなか釣れない、まだ見ぬ憧れの魚のことなのだと思うようになりました。

ある釣り人にとっては、渓流に棲む尺アマゴか尺イワナであり、ある釣り人にとっては、源流域に棲む50cmを超える大イワナであり、ある釣り人にとっては、本流筋に潜む大物、またある釣り人にとっては、湖に棲む70㎝を超える大物かもしれません。

そんなそれぞれの釣り人にとっての人魚を追いかけるのが、たまらなく幸せな時間なのだと。

そんなことをこの言葉に込めていたような気がします。

 

30年の時を経て手に入れた、メル・クリーガーのフライキャスティングの入門書
座右の書として手元に置き、もう一度自分のキャスティングを見直してみようと思います。

 

第158話 プロフェッサー


フライの話、第13弾はプロフェッサーです。

名前の由来ですが、その昔イギリスのとある大学教授の方が考案したことでこの名が付いたらしいです。

スタンダードなウエットフライの代表的なパターンですが、実績はというと、私の場合はポンド型の管理釣り場で、定番のマラブーフライに反応がなく釣れなかったときに威力を発揮してくれた頼りになるウエットフライの一つです。

残念ながら、渓流のアマゴやイワナを釣ったことはありませんが、12番ぐらいのフックに巻いたものは釣れる可能性があると思っているので、フライボックスの中には常に入れています。

他のウエットフライと同様、ウイング材の取り扱いと取り付け、巻き付けたハックルを下方向に束ねるのが難しいですが、それでもスタンダードなウエットフライの中では、巻きやすいパターンだと思います。

個人的には、マーカーニンフから1歩進んでウエットフライフィッシングを始める入門パターンとして、このブログの第108話で紹介したシルバーマーチブラウンと並んでお勧めのウエットフライです。

 

マテリアルは下記のとおりです。

 

スレッド:ユニスレッド8/0 ブラウン

フック:TMC3761P-BL 12~10番

ウイング:グレーマラード

ボディ:イエローフロス

    フラットティンセル

ハックル:ブラウン

テール:グースショルダー 赤

 

ボディに巻くフロスは、イエローがなければオレンジでもいいかと思います。

テールは、本来第135話でご紹介したアレキサンドラと同じスカーレットアイビスというものを使うらしいですが、グースショルダーの赤で代用しています。

 

 

ここまでは初心者の人でも簡単に巻けると思います。

ハックルを真上で二つに等分に分けて下で束ねる。結構コツがいります。

ウイングの取り扱いは他のパターン同様難しいです。

ボディとハックルをオレンジで巻いたパターンです。





第157話 懐かしの水鳥谷

渓流デビューして間もないころ、なかなか野生の渓流魚が釣れないでいました。

兄と二人で、私たちにも釣れる魚がいる川がないものかと、探し求めていた時、

たどり着いたのが実家近くの根尾川水鳥谷でした。

その上流域は魚影が濃く、20cm前後のアマゴでしたが、未熟な私たちの相手をしてくれ、足しげく通ったものです。

最後に訪れたのは、十数年前だったと思いますが、その上流域は護岸工事がされ、変わり果てた姿になっていて、暗い気持ちで帰ってきたことを覚えています。

あれから水鳥谷はどうなったのか?

今年根尾川の年券を買ったこともあり、久ぶりに行ってみることにしました。

午前5時頃、水鳥谷への入り口に到着すると、工事車両通行3.5㎞先全面通行止めという看板が立っていました。

この時点で。また何かの工事をやっているのかと思い、望みは薄そうだと感じましたが、せっかくなので行けるところまで行ってみることにしました。

上流域の通行止めとある看板の手前まで車を乗り入れ、ここから始めて、車で下流に戻りながら釣ることにしました。

天気は薄曇り、気温は高くはありませんでしたが、ジメッとした嫌な陽気でした。

川に立ち込んでみると、2日前まで激しい雨が降った影響か、増水気味で、白泡が立つような流れが目立ち、流れに逆らって立っているのもきつい状況でした。

この川でアマゴを釣った実績のある、エルクヘアカディスの13番を、アマゴが出そうなポイントへ入れてみますが、反応がありません。

その後も、下流に移動しながら、車止めがあるところでその都度車を止めて入渓し誘ってみますが、反応はありません。

アマゴといえども、今日のような増水した速い流れの筋でフライ覆うのは難しいのかもしれません。

ドライをあきらめ、その後はウエットフライを流れに乗せ、底石の周りに送り込んでみることにしました。

シルバーマーチブラウン12番、プロフェッサー12番、オレンジパートリッジ10番と誘ってみましたが、どれも全く反応がありません。

アマゴはいないのか・・・?

もし居たとしても水深の深いどころでじっとしているのか・・・?

全く反応がないので何とも言えませんが、この日、水鳥谷のアマゴとの対面は叶いませんでした。

自分の記憶の中にある水鳥谷とは少し違って見えました。

なにより、工事車両が入っているということは、また新たな工事がはじまるのか?

水鳥谷とアマゴたちの行く末が、何とも気がかりです。

2026年6月24日 根尾川水鳥谷にて

 

 

30年前、まだ未熟だった私たちの相手をしてくれたアマゴたち

 

30年前、アマゴ達が釣れた上流域のポイント、今では見る影もありません。

 

第156話 イワナは生き延びることができるのか?

前回の話の続きです。

この日のイワナの安否確認は・・・。

日の出とともに入渓し、安否確認のための釣りを始めました。

天気は薄曇り、シャツ1枚では少し肌寒さを感じましたが、ひんやりしたそよ風が心地よくもありました。

2日前あたりから時折雨が降っていたので、増水しているかと思いましたが、むしろ渇水気味でした。

それでも釣りには支障はなく、水温も13度と、状況としてはドライフライで釣れてもおかしくありませんでした。

まずは、いつものようにエルクヘアカディスの13番から試してみましたが、反応がありません。

そこでエルクアカディスとはシルエットが違うアダムスパラシュートの12番にしてみました。これも反応なしです。やはりこの日もドライフライでは駄目かと思いましたが、ここは思い切ってボリュームのある大きめのフライでイワナにアピールすることにしました。

そこで試したのは、ホワイトウルフの12番です。

水中にいても水面を意識していれば、ホワイトウルフの大きめのシルエットに気付いてもらえるかもしれないという期待を込めてです。しかし、これも全く反応がありません。

ここでドライフライには見切りをつけ、フライを沈めて誘ってみることにしました。

まずは、マーカーニンフ、使うフライはこの川で実績のあるヘアーズイヤーニンフの12番です。ここからは魚がどのぐらいの棚にいるのかマーカーを移動させたり、ガン玉を嚙ませたりして棚を変えながら探ってみましたが、これも反応がありません。

以前イワナが釣れたポイントをこんな風に時間をかけて誘ってみましたが、この日はイワナの気配をつゆほども感じませんでした。

その後は、ウエットタイプのロイヤルコーチマ12番に変えて、探ってみましたが、これも反応なしです。

イワナたちは、どこへ?

毎年のように、渓相がガラリと変われば、そのたびに棲みかを移動しなければなりません。イワナたちにとっては、かなり過酷な状況です。

この川のイワナたちは生き延びることができるのか?

それでも、イワナという魚は、源流域という過酷な状況下でも生き延びるすべを知っている魚です。

この川のイワナたちも昔からこの川に棲む野生の在来種と聞いています。

生き延びるだけの生命力はあるはずです。

前回写真でご紹介したイワナたちの子孫が、何とかこの川で命をつないでくれることを願います。

この日は、決まったポイントをじっくり攻めるため、川に立ちこんでいた時間が長かったせいか、十数年前に、この川で転倒し、骨折した左足の古傷が痛みだしたため、いつもより早めに川を後にしました。

(この古傷の話は、第28話で語っています。我ながら情けない体験でした。)

 

2026年6月17日 もう一つのホームグランドストリームにて

 

 

2年前、3年前と、良型のイワナが釣れた場所です。

ここは、去年唯一イワナの安否確認ができた場所です。

底石のところどころに茶色い藻が・・・。
渇水して流れが止まってしまうと、水がよどみ、こんな藻が発生します。

ふと目の前の石に足を乗せようとしたら、体長3㎝ほどのカワゲラが・・・。
イワナにとって生き延びるための餌はあるようです。

 

第155話 イワナの安否確認

第149話でお話しした川とは違うもう一つのホームグランドの川へと出かけました。

いつものように夜明けとともに入渓。

期待よりも不安の方が大きな気持ちでの釣行でした。

というのも、この川はこのブログの第50話と第74話でもお話ししましたが、5~6年前から異常気象による大雨で毎年渓相がガラッと変わってしまうようになったためです。

今年も去年と全く違う状況に変貌していました。

この川を初めて訪れたのは15年ほど前です。

当時は魚影も濃く、朝一番から5~6時間も釣り上がれば、2~3匹のイワナを手にすることができました。

日によっては、真夏の昼間でも流心でフライを追ったりして、7~8匹釣れることもありました。

このブログの記念すべき第1話で紹介した27㎝の悪魔イワナを釣ったのもこの川です。

他にも25㎝級のイワナを何匹も釣っています。

ドライフライに面白いように反応してくれ、それまでイワナという魚は、イブニングライズでしか釣ったことがなく、真夏の昼間には釣れない魚だと思っていましたが、この川にきてその考えが一新されました。

これまで、このブログでもこの川で釣れた数々の個性的なイワナを紹介してきました。私にイワナ釣りの楽しさを教えてくれた川でもあります。

それが5~6年ほど前から、地球温暖化によると思われる異常気象で、毎年のように起こる大雨の影響で川の状況が変わり始め、それに加え気温の異常な上昇により、水生昆虫の羽化や、魚の捕食行動にも少なからず影響を与え、ドライフライ一辺倒では釣れなくなってきています。

いつしかイワナ釣りを楽しむというよりは、イワナが生き残っているのかどうか、イワナの安否確認に釣りに来るという感覚に変わってきています。

ちなみに、前年に安否確認ができたのは、第104話でお話ししたイワナたった1匹でした。

今年はいったい何匹のイワナを確認できるのか?

この日は、比較的渓相に変わりがなく、以前イワナが出たポイントを中心にあの手この手で、時間をかけて丹念に探って安否確認をしてみることにしました。

この日のイワナの安否確認の顛末は、次回詳しくお話ししたいと思います。

 

この川で出合った良型イワナ達

白い斑点が薄っすらとしたヤマトイワナっぽい個体です。

大きな岩の陰に居たイワナ。

朝一番に出たイワナ。

上のイワナを釣った3週間後、朝一番に同じような場所で出たイワナ。

昼間に出た25cmオーバーのイワナ。