第27話 シャッターチャンス

釣った魚をできるだけきれいに写真に納めて、いつまでも残しておきたい、そして時々その写真を見て当時の思い出に浸りたい。

それもフライフィッシングの大きな楽しみの一つだと思います。

海釣りの人が、魚拓を取って残しておくのと少し似ているかもしれません。

フライフィッシングを始めたばかりのころは、デジタルカメラは無く、フィルムのコンパクトカメラで、撮ってから現像された写真を見るまでが楽しみでもあり、不安でもありました。

現像された写真を見て、失望したことも数知れません。

実際に肉眼で見た魚と写真との違いに、愕然としたことを今でも覚えています。

腕がよくなかったのが一番の原因なので、仕方がありませんが・・・。

それがデジタルカメラの出現によって、状況が一変しました。

撮ったその場で写真を確認できることもさることながら、素人でもかなりいい写真が撮れるようになりました。

その上、防水機能も兼ね備え、水中で写真や動画を撮ることもできるようになり、写真を撮ることを格段に楽しくしてくれています。

私は、写真を撮るとき一つ決めていることがあります、それは釣った魚とその魚が釣れた場所の写真と動画をセットにして残しておくことです。

そうすることで、どの川でいつどんな魚がどんな場所で釣れたかがわかり、次の年の釣りの参考になります。

釣った時の状況もよみがえってきて、イメージトレーニングにもなります。

釣れない状況が続き、気持ちが沈んだ時、釣れた時の感覚をもう一度呼び起させてくれ、自信を取り戻す手助けをしてくれる記録でもあります。

ただ、魚の写真を撮るときは、ネットの上に横たえるか、手で魚体を支えて撮るかのどちらかで、同じようなアングルの写真になってしまいがちです。

プロの写真家ではないので致し方ないですが、何とか自然な状態でよい写真が撮れないものかと、いつも思います。

写真のイワナは、なぜか水中でじっとおとなしくしていました。

これは、またとないシャッターチャンスと思い、シャッターを切ったところ、今までと雰囲気の違ったなかなかいい写真が撮れました。

この写真は、私にとってベストショットです。

このブログのプロフィールの写真にも使用しています。

いつか、水中で魚が泳いでいくところを撮影できたらなんて思いますが、絶好のシャッターチャンスを逃さないように写真を撮るのは、魚を釣るより難しいです。

いい写真撮れていますか?

2016年9月3日 岐阜県郡上市の渓流にて

 

水の中で頭だけを出し、写真撮ってと言っているようでした。

大きな石と石の間に囲まれた、いかにもイワナが好きそうな場所に潜んでいました。